MOS2におけるピークの重なりの自動デコンボリューションと定量化

図1:MoS2のSEM画像と点スペクトル

QQS2)はモリブデンの一次鉱鉱であるため、工業的に重要な材料です。自動車や機械加工の乾燥潤滑剤、化学業界の触媒、半導体業界の間接バンドギャップ材料など、幅広い用途があります。
EDSスペクトルにおいて、ピークのオーバーラップを持つ材料のデコンボリューションと定量化は、常に分析上の課題でした。MoS2は、硫黄のK線(S)がモリブデン(Mo)のL線と強く重なる材料の一つです。図1に示すように、Brukerの高性能EDS検出器であるXFlash®FlatQUADを使用して、MoS2のEDSの点スペクトルを取得しました。スペクトルは、BrukerのESPRIT 2分析ソフトウェアを使用してデコンボリューションおよび定量化されました。ESPRITの強力なデコンボリューションとフィッティング法は、個々のピークのオーバーラップを正しく識別し、フィットすることができました(図2、図3)。スペクトルの非標準の定量化により、化学量論的濃度に非常に近いMoとSの原子濃度を得られました。