ブルカーのHysitron®IntraSpect™90は、インデンテーション(押し込み試験)中の変形により生じる材料の物理的、化学的構造変化を、ラマン顕微鏡や光学顕微鏡によりin-situで評価するために開発されたインデンテーションシステムです。このシステムを顕微鏡に取り付けることで押し込み、引っ張り、圧縮、曲げ試験中に材料の構造変化やラマン特性をin-situで評価することができます。
光学顕微鏡やラマン顕微鏡のステージに取り付けるため、IntraSpect 90はコンパクトな設計かつ顕微鏡観察の際に対物レンズが装置に干渉しないような構造になっています。サンプルマウントの延長により、対物レンズが変形領域に容易にアクセスできるようになりました。また、ロック式のサンプルステージにより、試験中のサンプルのずれを最小限に抑えながら、サンプルの位置決めを行うことができます。
長年のナノインデンテーションシステム設計の中で、ブルカーが独自に培ってきたトランスデューサーテクノロジーにより、in-situラマン観察を行いながら、定量的なナノスケールからマイクロスケールまでの機械的特性評価が可能です。具体的には、最高500 mNの荷重と150 µmの変位を低ノイズフロアで制御・検出します。インデンテーションの測定データを解析するTriboScan™ソフトウェアと顕微鏡の光学像を同期させることにより、変形と機械的特性の相関をより深く考察することも可能です。