触針式プロファイリングシステムDektakXT®は、4Åの比類なき繰り返し性と最大40%のスキャン速度向上を可能にする革新的な設計を採用しています。この画期的な成果とその他の技術革新を兼ね備えたDektakXTは、独自の方法で薄膜、段差、および表面をnmレベルで計測します。これはマイクロエレクトロニクス、半導体、太陽電池、高輝度LED、医療、科学、および材料科学の各分野のさらなる進歩を促進するために不可欠です。
DektakXTではユニークなダイレクトドライブスキャンステージを用いることで、分解能とノイズフロアを低下させることなくスキャン間の時間短縮を実現しています。これにより、従来のスタイラスプロファイラで時間を要する処理であった広範囲の3Dマップやストレス測定時の長距離スキャンの高速化を達成しました。結果として、DektakXTでは今までの業界から信頼されるデータ品質と測定再現性を維持したまま、測定時間を最大40%向上させることが出来ました。
更なる特徴として、DektakXTは白色光干渉型顕微鏡でも採用されているブルカー製64ビットパラレル処理システムソフトウェア”Vision64”を採用していることがあげられます。Vision64ではフィルター処理やデータベース解析と同様に、広範囲の3Dデータを素早く表示することが出来ます。Vision64は数ある制御用ソフトウェアの中でも最も洗練され、且つ直観的に操作できるインターフェイスをも兼ね揃えています。これにより、DektakXTでは測定準備や自動測定が簡単化され、ルーチン測定をより早く、より容易に行うことが出来ます。
DektakXTには著しい進化が導入されており、4Åという比類なき測定再現性が得られることが特徴です。シングルアーチ構造の採用によりDektakXTはより剛性を増し、音響ノイズや地震などの環境ノイズに対し耐性が増しています。アーチ構造を補助すべく、ブルカーは装置全体のエレクトロニクスも著しく向上させ、温度変化を改善しました。これらの回路設計における最適化”スマートエレクトロニクス”により、エラーの元となるノイズを最小限に抑え、10nm以下の段差でも高精度で測定できるようになりました。これらシングルアーチ設計とスマートエレクトロニクスの組み合わせにより従来に比べはるかに低いノイズフロアを実現し、DektakXTによってより一段と高精度・高信頼の測定が可能となりました。
DektakXTは革新的な構造を有していますが、それをより完璧に近づける手助けをするのがブルカー製の操作解析システムソフトウェア”Vision64”です。Vision64では最も機能的で且つグラフィカルなインターフェイス、直観的な操作ワークフロー、ユーザー設定型自動測定機能を駆使して高速かつ包括的なデータ取得と解析が可能になります。測定パラメータの入力は合理的なワークフローと共に一つのウィンドウに集約され、使用頻度の少ない人でも操作方法を思い出しやすく、熟練者には基本設定に煩わしさを感じさせない仕様となっています。
データ測定後のデータ解析は、自動レベリング、自動段差検出、フィルター処理により容易に行うことが出来ます。
レシピを用いたルーチン解析でも、実験的に多数の計算処理を含んだ解析でも、Vision64に搭載されているデータアナライザーはデータにどのような計算処理が行われているか、更にこれからどのような処理化可能なのかを表示してくれます。
さらにVision64では、ラインスキャン状況、サンプル表面における針先端のライブ画像、データ測定の残り時間、3Dマップデータの測定状況など、システムの進行状況を常に表示することが出来ます。 これらの視角的な機能により、データ測定状況を容易に把握することが出来ます。
スタイラスプロファイラでは,多岐に渡るサンプル測定を行うためには,各測定に適したサイズのスタイラスを使用する必要が有ります。しかしながら、スタイラスの交換作業は簡単ではなく、注意力と集中力を求められる作業となってしまっています。よって、スタイラス交換を素早く簡単に行うことが出来る機構を備えていることは、強く求められている項目の一つでした。DektakXTではこの要望に対処すべく、斬新なセルフアライメントシステムを搭載し、難しくて時間のかかるスタイラス交換を、ミスの発生を最小限に抑えながら行うことが出来ます。更に、あらゆるアプリケーションへの適用を目指し、ブルカーは、深いトレンチに対応したハイアスペクト比の針を含め、最広い範囲に渡る標準スタイラスとカスタムスタイラスを提供します。
半導体製造プロセス中においては,均一性に乏しい薄膜層や過剰なストレスは低歩留りまたは低品質に繋がってしまいます。そのため、成膜レートとエッチングレートの均一性と同様に、薄膜のストレスも精密にモニタリングすることで製造コストの削減に繋がります。DektakXTでは設定の簡単な多点自動測定機能により、ウェハ全体における膜厚段差を、 4Å以下の再現性で検証することが出来ます。このようにして得られたデータよりエンジニアは厳密な調整が要求される成膜・エッチングレート、膜厚値、ストレス値を取得することが出来、歩留まり向上に貢献することが出来ます。
私はブルカーのプロファイラーを長年愛用しています。私の最初のプロファイラーは20年ほど前のDektak 6スタイラスプロファイラーで、その後Dektak 150、ContourGT光学式プロファイラー、そして最近ではDektak XTと続いています。さらに、これらの装置はすべて今でも稼働しています。毎日、毎日、高精度で正確な測定を、最小限のダウンタイムで提供しています。マルチユーザー施設の管理者として、私はブルカーとの長年にわたる良好なパートナーシップを本当に嬉しく思っています。何百人もの学生がすでに何千回も使用しています。このことは、これらのプロファイラーが堅牢で信頼性が高く、使いやすいプラットフォームであることを完全に証明しています。